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難しいことはやさしく、やさしいことはより深く

獨協人登場2024.09.09
難しいことはやさしく、やさしいことはより深く

現在はタイを拠点に活躍している上原さん、2020年以降コロナ禍では、帰国の回数も激減していました。2023年11月末に一時帰国した際に、喜寿祝から延期になっていた「中村泰將名誉教授 傘寿祝」にも参加がかない、久しぶりに恩師を囲んで同窓生と集うこともかないました。今回は虎ノ門のオフィスで直接お話をうかがうことができました。

タイ・バンコクを中心のお仕事は?

2012年よりタイ駐在、国内においては日系、欧米系の企業の財務・税務に関するコンサルティング、タイにおいては大手日系企業子会社を中心に、現地の会計・税務、日本本社との取引に対するコンサルティング、現地社員人事制度の構築、ローカルファイルの作成支援等を提供するなど、ビジネスを成功させるため広範囲でサポートをしています。バンコクのスタッフも30名ほどになり、インドネシア、シンガポール、マレーシアに続く規模となり、横連携も積極的に行うことで、日本国内とは違ったクロスボーダーの面白さがいろいろあります。

バンコクのスタッフの皆さんと

大学時代は?

もともとはバイクに興味があり工学部へ進学して内燃機関を学び次世代のエンジンの開発に携わりたいと思っていたのですが、文転して経済学部を受験しました。入学して、今も帰国時には毎回会う1年からのクラスメイトが公認会計士を目指しているというので、当時の私は簿記も会計も税務も区別ができなかったけれど、数字を扱って、何か残る技術を身に着けて卒業しよう!ということで、3年からは会計学の中村ゼミに入ったのです。週に2回ほど水道橋の簿記の専門学校へも通い、在学中に税理士資格取得に向けた勉強をはじめました。さすがに在学中は科目合格程度で、大学院進学を勧められましたが、就職することにしました。

 アーサーアンダーセン時代

新卒で大手国際会計事務所に就職 

1989年、平成元年3月卒業です。バブル時代、Big8のひとつアーサーアンダーセンへ就職。当時は取引形態・金融商品の多様化、新しい事業スタイル、企業の多国籍展開(日系企業の海外進出と欧米企業の日本における税務)、急激に変化する状況に合わせて、お客様とともに会計処理や方針を考え、新たな提案をする、そういう時代でした。その後、職場の、同僚とともに税理士法人XATを設立し日系・日本に進出してくる企業の会計・税務を担ってきました。
中村先生から教えられた「難しいことはやさしく、やさしいことはより深く」ということばを今もとても大切にしています。
テクニカルタームが多い会話の中で、経営者の皆様と同じ目線で物事を考え、業界用語ではなく相手のニーズを踏まえて話をする、というのは重要なんです。一流のコンサルタントは、当たり前のことは、当たり前のように相手に納得させるんですよね。
 

恩師を囲む会

仕事で心がけていることは?

形あるものを売っているのではないですから、気持ちよく仕事をすつためにも、人と人のコミュニケーションはとても大事なことなんです。どんな場面でも本当に大切なことです。また「先生」とは呼ばないようにお願いしていますね。どうも「先生」は堅苦しいし、他人行儀で好きではないんです。
 


タイの地方大学と連携し、そこで日本語を学んでいる学生たちが、就職の際にもう一つの武器となるように、日商簿記レベルの簿記会計の力を身に着け、会計業界で活躍できるようにと、日本留学を経験した先生方と協力して、日本式簿記の習熟の支援をする活動など、コロナ禍で頓挫していたそうですが、2024年以降は社会貢献も再開の動きがありそうです。同期にも尊敬される上原さんの活躍がこれからも楽しみです。
(取材:中島智子 佐藤祐一/写真・動画:高木大介)


フェニックス国際税理士法人
https://www.px-acc.com/staff/


難しいことはやさしく、やさしいことはより深く 上原 重典さん Dokkyo Alumni NEWS Vol63
https://www.youtube.com/watch?v=2Fl2YQ6Itvk