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異なるステージでキャリアを磨き、国内外に思いを

獨協人登場2025.03.30
異なるステージでキャリアを磨き、国内外に思いを 大学卒業後に新卒で旅館・ホテルを運営する(株)星野リゾート・マネジメントに入社。長野県軽井沢町、大町
市、茨城県土浦市といった地域性が大きく異なる立地でホテリエとしてフロント対応から客室清掃・食事提
供とサービス業務全般に従事し、入社4年目で新ブランドホテルの立ち上げや広報担当としてTVやYoutube
など数多くのメディアでも会社の顔としてメディアミックスに情報発信したりと尽力。その後、次のキャリアと
して学生時代の活動とも繋がりのある公益財団法人ジョイセフの職員として入職。主にジョセフの国内にお
ける活動のPR・資金調達などこれまでの経験を生かしてマルチタスクをこなしながらキャリアを積み重ねて
いる。学生時代は、国際親善倶楽部 DIACで留学生と日本人学生が一緒に参加する宿泊イベントの企画をし
たりと渉外担当としても活躍し、カンボジアに行ってファームステイを体験したりと学生時代から世界を
股にかけてワールドワイドにアクティブな行動をされてきた栗林さんにお話を伺いました。



「日本と世界の思いを繋ぐ架け橋に」

戦後、日本では母子保健が飛躍的に向上したことで妊娠や出産で命を失う女性が急速に減り、世界に類を見ないモデルケースになりました。
日本で培った母子保健と家族計画の知見を生かし、すべての人が自分の意思で生き方を選択できる世界をめざして、基本的人権であるSRHRを推進する日本生まれの国際協力NGO「ジョイセフ」の若手職員として、2022年から国内での寄付の呼びかけや支援者との連携、啓発活動などの業務に取り組んでいます。その中でも特に自分が主担当して取り組んでいる「思い出のランドセルギフト」プロジェクトはこれまで20年間の活動実績があり、アフガニスタンで紛争・貧困で困難な状況下にある農村地帯の子どもたち、とりわけ教育の機会に恵まれづらい女の子の就学を支援することを目的に、日本で役目を終えたランドセルを届ける活動をしています。ランドセルは日本を出発して海上輸送を使って船で1か月程、そしてパキスタンを経由して陸上輸送で最終的に現地の子どもたちの手に渡るまで最終的に約2か月の期間を要しますが、現地の子どもたちに日本の皆さんからの応援と、ランドセルを受け取る特別な1日を届けるという重大任務を担っているという思いを胸に業務に取り組んでいます。日本の子どもたちにも、この活動を通じて「自分の応援の気持ちや大切なランドセルを必要としている子どもたちがいる」ということを知ってもらい、ランドセルとの思い出をより良い形に昇華し、世界とつながることができる機会となればという思いで、多くの日本とアフガニスタンの子どもたちの橋渡し役となれるように、引き続き周知活動に力を入れていきたいです。
これまでの20年に渡る歴史と30万人を超えるこれまで応援してくださった日本の皆さんの思いで続いてきたプロジェクトです。今後、この先の20年も支援が続いていって欲しいと思いますし、どの国に生きていても、男性でも女性でも、そうでなくても、すべての人が自らの意思決定により自分の生き方、人生を選択できるより良い社会になったらいいなと思っています。ジョイセフの活動を通じて、人々の命と健康を守り、みなが笑顔で暮らせる社会づくりに貢献したいです。

思い出のランドセルギフトについてはこちら
https://www.joicfp.or.jp/jpn/donate/support/omoide_ransel/




「今に繋がる前職でのキャリア」

星野リゾートを選んだのは、選考時に就活生をジェンダーなどで特別視していない、フラットな組織文化に惹かれた所もありますし、大学時代にアメリカでの短期留学やアフリカへの渡航経験から、海外の方の健康でより良く生きようとする意識の高さに触れ、日本で暮らす人々を旅館・ホテル事業を通して心身共に元気にして、国内外に日本の強みや素晴らしさを国内外に発信してみたいと思ったからです。
振り返ってみると仕事をする中で宿泊されたお客さんから御礼の手紙をもらえた時は嬉しかったですし、対応した中にはちょっと対応が難しいな、と思ったお客さまもいましたが、最終的にはそのお客さまから気に入って貰えて、自分のことを覚えてくれ「また来るね」と言ってもらえたので、仕事をする上での自分自身の強いモチベーションにもなりました。自分の長所である、トライアンドエラー精神も生かせたと思います。大学のゼミの活動で勉強していた発展途上国に暮らす人々のニーズや経済状況と、リゾート地に来るお客さまのニーズや経済状況は対照的ではありましたが、人の多様な価値観に触れる機会となり、自分の長い人生の中でやりたいことを考える上でもいい経験となりました。星野リゾートでの仕事で特に印象的なのが、茨城県土浦市で「自転車を楽しむホテル」という新しいホテルブランドの立ち上げに広報という役割で関わったことです。コロナ禍で3密を回避できるアクティビティとして流行したサイクリングを楽しめるエリアに、新規開業したホテルということで、著名人とテレビ番組やYouTube動画で共演したり、その撮影ロケのために準備や自転車に乗って長時間同行をしたり、その他、宿泊プランやイベントの企画やプレスリリース作成の対応をしたりといった仕事をしました。ホテルの魅力を最大限、広報の立場から発信する機会が持てたことは貴重な経験で、今の仕事にも生きています。

「今につながるゼミでの活動」

開発途上国を対象とした開発経済学がメインテーマのゼミである高安ゼミ(高安健一教授)の5期生にあたり、当時同期は20人程いました。昨年は獨協大学のコミュニティスクエアでOB・OG会が開催されて1期生から集まり、卒業後も結束の強いのが特徴です。元々獨協大学に1年早く進学していた高校の先輩からの紹介で高安教授のことを知り、経済学部の中でも国際的な話題を経済の分野で切り取ったテーマに扱っているところに興味を持ちました。
在学中は高安先生からモノを語る上で、ロジカルシンキングを用いる重要性を何度も、何度も、教えてきていただきました。それは卒業後に仕事をする上でも重要性を肌で感じた機会は多々ありまして、先生には在学中に、企業で働く上で求められる基礎的なフレームを作ってもらったと感謝しています。
また、在学中は現在のジョイセフでの活動に通じるジェンダーの課題にフォーカスしたプロジェクトに取り組みました。ジョイセフが頒布しているチャリティーグッズを雄飛祭で代行販売したり、国際シンポジウムを題してプレゼンテーションや講演会を実施しました。そういった活動を経て大学3年生から継続的にジョイセフを支援するマンスリーサポーターを始め、そのご縁から、大学4年生の時に1週間、ジョイセフが妊産婦死亡を削減するために活動していたザンビアというアフリカの地で、活動を視察する機会をいただきました。その時の経験が、その後の自分自身のジェンダー課題に対しての姿勢や、保健分野において人々の健康や幸せを守ることを考える機会となり、日常生活の中でも問題意識を形成する上での貴重な知見を養うことが出来たと思います。ジェンダー課題に取り組むことができた機会も、ジョイセフとのご縁も、今の仕事も、高安ゼミでの経験がなければたどり着くことができなかったと思いますので、私の人生やキャリアを語る上で獨協大学での経験は切っても切り離せない話になっています。



(写真提供:国際協力NGOジョイセフ)