同窓生の広場
 

獨協大学同窓会トップ » 同窓生の広場 » 獨協人 » 特定非営利法人「日本国際ボランティアセンター(JVC)」事務局長   清水 俊弘さん(86年経営卒)

特定非営利法人「日本国際ボランティアセンター(JVC)」事務局長   清水 俊弘さん(86年経営卒)

dokkyojin_shimizu.jpg

雑然とした、いかにも活気あふれる雰囲気の事務所がエレベーターの前に広がっていた。ここは、上野駅にほど近い、ビルの6階フロア。迎えてくれた清水さんは、事務局長というイメージより大分若々しい印象だ。


JVCとは、特定非営利活動法人「日本国際ボランティアセンター」の略称。その活動内容をお聞きした。JVCの始まりは、約25年前、タイに流入したインドシナ難民の救援活動に端を発したとのこと。

その後、カンボジアの復興支援やソマリア・エチオピアの難民支援・飢餓難民緊急支援などの活動を経て、今では11カ国で様々な支援活動を行なっている。


活動にあたり、清水さんは「一人の市民の目線」を意識した活動でありたい、とおっしゃっていた。援助にも難しい面がある。その事例として、80年代のアフリカ飢餓問題における食糧支援物資のダブツキや、難民の援助に対する依存体質を生んでしまったことなどを挙げられた。また、支援の撤退時期をどのように判断するか、などの課題ある。

清水さんが、この活動に参加したきっかけは、大学時代に、アフリカ飢餓問題を知ったことだった。
『同じ地球で、同じ時間に生きている人がこんな悲惨な状況にいること』に衝撃を受け、募金などの間接支援ではなく、自ら行動したいとの思いからだったという。

卒業後、教職に就いたが、『この子達に自分はいったい何を教えられるのだろう』と知識も含めた自分の薄っぺらさを自問し、もっと厳しい環境にある世界の様々な現場で実務経験を積もうと、本格的にこの団体の活動に踏み込んだのだという。

初めての現場は、タイにあったカンボジア難民キャンプ。難民キャンプに行ってわかったことは、難民支援は対処療法にすぎず、その背景にある紛争の構造に目を向け、その原因にアプローチしなければ問題の解決にはつながらないと気付かれたそうだ。JVCは、「国」の枠組みに囚われないNGOとして、紛争を両側からみて、「人」としての視点から、何をすべきかを考えることから始まると続けられた。

清水さんは、その後も、アフガニスタン、東ティモールなど様々な国での活動を続ける一方で、日本国内でもNPO法の成立などにも深く関わってきた。4年前からは事務局長として、事業全体の調整にあたっている。最近では、都内の大学院で非常勤講師をするほか、全国の学校や自治体等での講演も増えている。

事務所内のポスターの“同じ地球に住むわたし”というロゴを見て、何か自分も出来ることを始めたい、と思わされたインタビューであった。

JVCホームページ
http://www.ngo-jvc.net/

※会報103号より

※情報の修正について

このページに掲載している情報に誤りがあったり、追加で掲載したい情報がある場合は、
お問い合わせフォームよりご連絡ください。