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映画監督 細野辰興さん(76年英語卒)

細野辰興

 平成18年2月に封切られた映画「燃ゆるとき」の細野辰興監督を銀座の獨協倶楽部にお迎えし、学生時代の思い出、映画、監督業について伺った。当日は、9期のクラス会のあとで、卒業以来今も交流の続く同期の皆さんも一緒に合流され、学生時代を彷彿させる場となりました。


 細野さんは中学生の頃から大の映画好きで、その頃から映画監督を志ざされていたとのこと。 学生時代も授業が終わると3本立ての名画館に直行であったとか。 獨協大学を卒業後、「横浜放送映画専門学院」(現・日本映画学校)に進み、研究科終了後、助監督時代を経て、91年「激走トラッカー伝説」にて監督デビュー。これまでに8本の劇場公開作品を手掛け、骨太な社会派人間ドラマを描く監督との評価を得ている。今村昌平、長谷川和彦、相米慎二、根岸吉太郎の4監督に師事。

 最新作「燃ゆるとき」は、高杉良原作の経済小説を映画化。海外進出を果たした食品会社の実話に基づく作品だ。初めての海外ロケは、当初アメリカで予定していたが、テロによる入国審査が複雑で、急きょ変更し、オーストラリアで大半を撮ったそうだ。

 映画監督の仕事は、『脚本創りが一番。いろいろな要素が必要となる。難しくもあり、楽しい作業。いつも4、5日こもって脚本の基礎を創りあげる』と話す。実際の撮影に入ると眠る時間も少なくなり、最後は体力勝負になる。映画監督の醍醐味は、《役者・スタッフとの現場での化学変化》と表現され、役者の今までとは違う別の面を引き出すことという。「芝居センス」のあるいい役者は、場面に応じて色々な面を見せてくれる。

 映画監督としてのスタイルは、大声で現場を仕切る司令官タイプではなく、俳優の資質を引き出しながら、一緒に作品を創り上げるタイプと自らを語る。師の一人である今村昌平氏から言われた、『生涯、莫迦を描け』とは、細野さん自身の生き方にも通じていると感じた。今もオフには多数の映画を観るが、監督になった現在は、映画人として作品を観てしまい、単純に娯楽として楽しめなくなったとも。

  『今後もジャンルを選ばず、社会性のある骨太な人間ドラマを描き続けたい』と語る。「黒澤明監督」と役者「三船敏郎」について熱く語る細野さんは、映画に対する情熱が溢れていた。

●主な監督作品
「激走トラッカー伝説」
「大阪極道戦争しのいだれ」
「シャブ極道」
「竜二Forever」

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