パイロットになるために
獨協人登場2019.07.01
My memories at Dokkyo
パイロットになるために
菅原 聡
ANA パイロット
(03年国際関係法卒)
在学時は、バイト、ダイビングサークル、バイク、などさまざまなことに熱中した。大学2 年生の時、長い夏休みをバイトや部活で過ごすのも良いが、せっかくなら他の人が出来ないことをしたいと思った。幼少期から、パイロットになりたかったこともあり、最低限の英語力は必要だと思い、休みの期間を利用し、英単語をひたすらに覚えた。紙に書きながら、暗記をしていったため、夏休みが終わるころには、暗記に使用した紙の束が、どっさりと積み上がった。紙の束は、「自分はこれだけやった!」という自信にも繋がった。
My story
菅原さんの歩み
幼少期:航空管制官の父の背中
航空管制官である、父の影響は大きかった。父の背中を見て育ち、航空管制官の仕事にも魅力的に感じたが、次第に「地上と空で父と共に仕事をしたい」と思い、パイロットを目指すようになった。
在学中:鈴木ゼミでの学び
所属していた鈴木淳一ゼミは、国際法を研究するゼミだった。鈴木先生は「君たちが大学で学んだことは、すぐには君たちの役に立たない」といった。先生の言う通り、卒業してすぐ、大学での学びが目に見える形で活かされることは無かった。しかし、各国を飛び回る中で、国を取り巻く環境、歴史の元に、その国の法があり、それらを理解する姿勢が大切であるということを身をもって知った。
航空大学校受験
就職活動を終えた4年生の夏、 航空大学校受験に向けて、舵をきった。翌年2月航空大学校の合否発表の日。結果が気になり、国土交通省までに見に行くと、結果は見事合格!長年の思いが叶った瞬間は本当にうれしかった。
航空大学校時代:同じ夢を持つ仲間との寮生活
大学校に入学後、同じ夢を目指す同期との寮生活が始まった。そこでは、四六時中共にする、メンバーとのチームワークや上下関係を学んだ。
ANA入社後:パイロットとして
ボーイング 737、767、エアバス320の操縦免許を取得。現在は国内のみならず各国を飛び回っている。
My Career Path
キャリアパス
入社後、多種の機体を操縦してきた。旅客機の操縦を行うには、 機体ごとにそれぞれ別の免許を取得する必要がある。アメリカ製のボーイングとヨーロッパ製のエアバスは、真逆なコンセプトで造られているため、操縦桿の操作もまるで異なる。一つの免許を取得するためには、半年間をかけ、全日空の訓練センターに通い、操縦の練習を行う。パイロットは一生の内、2 ~3 種の免許を取得することが一般的だが、幸運にも他の人より多くの免許を取得する機会があった。覚えることももちろん多く、人一倍の努力が必要になるが、将来世界で通用するパイロットになるためにも、取得したさまざまな免許は、自分の大きな財産になる。
フライトオペレーションの出来不出来は、フライト前の準備でほぼ決まる。天気図を見てどの地点で機体が揺れやすいか等を事前に想定し、フライト後は何が準備不足だったのかを考え、次のフライトに活かすようにしている。どんな時も、お客様に安心してご搭乗してもらえるフライトを心がけている。
Future goals
今後の目標
現在は、次々と安全に飛ぶことの出来る安定した新しい飛行機が開発されてきている。
今後は、機長になり、さらにそういった新しい飛行機も操縦してみたい。 2019.7( 取材:関根優子 / 動画:高木大介)
Message for you
獨協生へのメッセージ
誰よりもパイロットになりたいと想い続けてきた。幼少期から、「パイロット、パイロット、パイロット…」一日に、一万回はパイロットと言い続けてきた。それほど、パイロットになりたいと誰よりも強く思ってきたのだ。不思議な事に、そうすると運が向いてくるものだ。航空身体検査基準が緩和され、無事航空大学校に入学し、パイロットと して現在働くことが出来ているのも、周りのサポートはもちろんだが、やはり自身がパイロットになりたいという想いを強く持ち続けていたからだと思う。想い続けることで、向こうからチャンスがやってくる。だから、夢を絶対に実現させるという気持ちを大切に持ち続けて欲しい。 … 菅原さんのインタビュー動画は獨協大学同窓会公式チャンネルでご覧になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=B3VDGfGODho
文中の記載内容はすべて取材当時のものです。